この本を手に取った理由

植木雅俊氏の思想解釈にもともと興味があったから。

あらすじ

植木氏が橋爪大三郎氏との対談を通じて、
法華経二十八品の読解をするという内容。

感想

過去にここまで法華経を深掘りした対談はあっただろうか。

あらゆる宗教思想に精通した橋爪氏の激しい追求に対し、
法華経の翻訳家でもある植木氏が判例を用いながら巧みな解釈を提示していく。

法華経の真の理解を深めたい方は読んで損はなし。

本書からの学び

本質的な意図を掴むには?

法華経に限らず「古典を理解する」鍵は、

歴史的背景を鑑みた上で、なおかつ、言葉の奥底にある本質的な意図を洗い出す

必要性があるということ。

法華経であれば、鳩摩羅什や竺法護によって翻訳された(解釈された)法華経訳がポップなんでしょうが、果たしてその解釈は正しいといえるのだろうか?
植木氏はそんな疑念から、法華経のサンスクリット語原典を最初から翻訳し直すという大作業に取り掛かる。
結果的に、誤訳の発見や思想の深掘りができたことで、編纂当時の歴史的背景をより浮かび上がらせることに成功した。
従来より精緻な解釈が可能になったわけだ。

「何事も真摯な追求心がなければ本質は見抜けない。」

そんなメッセージを本書から受け取った気がする。

「解釈の受け売り」が横行している昨今、
今一度、自戒したい。

総評

  • 読みやすさ
  • わかりやすさ
  • コスパ
  • 信頼性
  • 即効性
  • 実用度
3.8

総 評

最初から最後までお互い一歩も譲らない知識の応酬には圧倒された。。
橋爪氏の厳しい言及が新たな法華経解釈の契機になったことは、植木氏にとっても貴重な体験となったのではないか。

こんな人におすすめ

  • ある程度法華経に触れたことがある方
  • 仏教に興味がある方

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あとがき

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