はじめに

ども空心です。

今回の投稿は、
過去記事のリライト版となります。

カント哲学研究の第一人者・中島義道著
悪について」(岩波新書)の書評記事です。

この本↓

カント倫理学の言わんとする「悪」を言及し、
紐解いていく解説書となります。

中島義道氏はこんな人↓

自己愛という「しがらみ」

当時、
悶々と存在理由などを問い続けていた私は、
とある本の書帯(本扉だったかも)に目が止まった。

とある本とはこれ↓

(書帯より)

多くの人間は、
みずからの自己愛を自覚しながら、
それに悩むことなく身をゆだね、

さらに多くの人間は、
みずからの自己愛を自覚しないままに
巨大な自己愛の城を築き上げ、

そして少数の道徳的人間ですら、
みずからの自己愛を痛いほど自覚し、
それに全身で悩み、

それから抜け出そうと
必死にもがくことそのことによって、
新たな自己愛にからめ取られてしまうのである。

「自己愛」をどう取り扱えばよいのか。
これは自身の命題でもあったため
即、購入し読んでみました。

以下、
ポイントのみ抜粋・引用しながら
感想を書きます。

カントの考える「悪」

カントにとっての「悪」とは
どのようなものだったのか?

嘘と欺瞞で固めた卑劣漢も、
放火常習犯も、
強姦常習犯も、
狡猾な日和見主義者も、
弱者を足蹴にしてのし上がる冷酷無比の企業家も、
権力に安住している官僚も、
悪徳政治家も、
悪のモデルではない。

そうではないのだ。

常に外形的に善いことをなし、
如才なく、弱者を助け、刻苦精励これ努め、
約束はきちんと守り、あらゆる法律を守り、
そして賢明に穏やかに生きつづける
善良な市民こそが悪のモデルなのである。

彼女(彼)が最も悪いのである。

外形的に善いことをしながら、
内部には巧妙な自己愛の水路が築かれている、
その巧みなしたたかさが悪の典型なのである

一般通念としての「悪」とは捉え方が間逆ですね。

つまり、カントの善悪の基準は、
自分自身の本心に
忠実に従って生きているのかどうか、ということ。

意識的にも無意識的にも
自己を欺きながら生きる人間が「悪」のモデルであって、
それは裏を返せば「自己愛」に浸っているだけだといいます。

「自己愛」を無くすことはできるのか?

以上を踏まえた上で
果たして自己愛は滅することができるであろうか。

著者の見解。

われわれは、
自分が道徳的に以前より
完全な段階に至ったと確信したとき、

ある才能において
以前より進歩したと思ったとき、

喜びを覚える。

そして、その喜びには、
かならず「誇り」が含まれているのだ。

この場合、たとえ道徳的に
低い段階に留まっている人を
軽蔑することがないにしても、

才能の開発に怠惰な人を
見下すことがないにしても、

みずからなしたことに満足し
誇りに思うかぎり、
そこには自己愛がぴったり張りついている。

たとえ「自己偏愛」を
理性的自己愛に高めえたとしても、
「うぬぼれ」はけっして撲滅できないのである。

「道徳的人間」とはどのような人間か?

では、カントが考える「道徳的人間」とは
いかような人間を指すのか?

道徳的人間とは、
常に善い行為をする人間のことではない。

自分の信念を貫くことが
他人を不幸にするという構造のただ中で、
信念をたやすく捨てることもできず、

とはいえ自分の信念ゆえに、
他人を不幸のうちに見捨てることもできずに、
迷いつづけ、揺らぎつづける者のことである。

総 評

  • 読みやすさ
  • わかりやすさ
  • コスパ
  • 啓発度
  • 信頼性
  • 即効性
  • 実用度
3.3

総 評

さすが「戦う哲学者」だけあって、自分に妥協がない。
拭い切れない自己欺瞞や自己愛を、どのように消化すればよいのか。
本書からはそのヒントをもらえるかもしれません。

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終わりに

哲学者のあくなき追求心や、
考える時のマナーは大変参考になります。

ちなみに
中島氏の著作をおすすめするかと言えば、

・・・

人を選びます(笑)

このかた、
「生きづらい人」の中でもスーパースター級
ですので、
安易に中島ワールドに触れると、
余計生きづらくなる可能性があるんです(マジで)

一種のエンタメwwぐらいの気持ちで読むほうがいいかも。
こんな人間もいるんだな〜ぐらいに。

もし人間関係とかで悩んでいるのなら、
嫌われる勇気」(岸見一郎、古賀史健)とかをおすすめします。

この本↓

この本の記事も書きました

中島義道氏の著作

一応、、、
過去私が読んだ中島氏著作の中でも読みやすく
面白いもの(おすすめとは言わないwww)だけリンク貼っておきます。

 

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